今日も引き続きフィラリアのお話です。

 

まずフィラリアについてですが、心臓や肺動脈に寄生する成虫は長さ20〜30センチ位でオスとメスがいます。これらは血液中に『ミクロフィラリア』という小虫を産んで様々な悪さをします。フィラリアが恐ろしいのは実はここにあります。

勿論成虫の存在も物理的に血流悪くしたり、時に急性症状を引き起こして亡くなる事があるけど、小虫は数年の寿命が尽きた後肝臓や腎臓など主要臓器の毛細血管に詰まってしまいます。それによって特に肝臓がダメージ受けると肝障害や腹水や浮腫(むくみ)が出ます。昔は俗にフィラリアの慢性タイプと呼んでたけど、こうなってしまうともう残念ながら時間の問題となってしまいます。一旦感染してこの慢性タイプで発病してしまったら、成虫駆除しようが予防薬飲ませようがもう2度と元に戻る事は不可能になります。

 

⬇︎ 過去に猟犬種のワンちゃんから手術で摘出したフィラリアの成虫です。ホルマリン漬け容器から一匹取り出してみました。撮影時容器のフタ閉め忘れて、強烈なホルマリンの臭いでこの後ちょっと大変でした。

 

基本的にフィラリアは、成虫や小虫の影響で症状出る前に発見し予防する事が肝心です。

昔はフィラリアを発見したら成虫駆除してから予防薬開始というのがスタンダードでした。ただこの方法では一定の割合で必ず亡くなる子がいてそれもやむなしの病気ととらえられてたけど、今現在は『保存療法と言って成虫駆除しないで、ひたすら予防薬を投与』する事によって成虫や小虫の寿命を待つ方法が主流となっています。

成虫は5〜6年、小虫は2〜3年が本来の寿命と言われてるけど、予防薬の種類によってはこの寿命を大幅に短縮させる事が可能です。私は『緩やかな駆虫方法』とお話ししてますが、一気に殺滅して体に負担与えるよりは安全な方法かと思います。

 

ただ逆に言うと、、フィラリア感染してるワンちゃんに不用意に予防薬やると、虫に作用して場合によって発病や命の危険性もあるという事ですね。

実は昔は結構このパターン多かったです。俗に『急性タイプ』と呼ばれる症状引き起こして手術に至ったケースは何度も経験あります。あるいは軽くても咳をし始めたとか。そのため当院では感染が確認されたワンちゃんには段階を踏んで少しでも発病予防しながら投薬開始しています。

 

でも勿論1番良い方法は、、そもそも感染しない様にしっかり予防する事です!!

 

ちなみに予防薬メーカは責任上からも毎年投薬前の血液検査を義務付けていますが、現実的に一千匹近い子が4〜5月に集中して来られても当院では対応不可能なので、毎年十分な聞き取り調査を行った上でのお渡しとしているのでご理解ください。なお少しでも投薬に不安があったり、投薬時期がうろ覚えでハッキリしない場合は必ず血液検査をお受けください。よろしくお願いします。

 

 

⬇︎ 今現在当院で多くの方が選んでる予防薬がこちらです。腸内寄生虫の一部を除いてほとんどの寄生虫に対応してます。医療の世界は日進月歩ですが、フィラリア予防薬の進化もすごいなと思います。

⬇︎ 猫ちゃんはこちらで予防しています。投与方法さえしっかりしていれば、効果100%の謳い文句です。

 

⬇︎ 友人達がステイホームで昼飲みやグルメをSNSにアップしてたので、今日は私もいつもと違う『沖縄オリオンビール』と『THE軽井沢ビール』とYouTubeでバーチャルトリップしてみます。まずは沖縄から、、