前回のブログ、犬の心不全における利尿薬で「高血圧は諸悪の根源」なるお話したけど、実は心臓のみならず「腎臓」との関連性も以前から知られています。当院で心臓や腎臓の治療されてるオーナーさんならお分かりかと思うけど、「このお薬は血管拡張剤です」というような説明を少なからずお聞きになってるかと思います。
心臓のお薬にしても一種の血管拡張剤であり、血管を拡げる事によって高血圧を改善し心臓の負荷を減らすためですし、腎臓の場合は腎臓への血流量が非常に大事なため「安静」と「血管拡張剤」投与が重要となってきます。特に犬や猫の場合は「人工透析」と「腎臓移植」のハードルが高すぎて現実的ではないので、どうしてもその前の段階で早期発見して早期治療してあげる以外方法がありません。ということで今回は「高血圧と腎臓」との関連性のお話です。
サイレントキラー、高血圧が別名そう呼ばれてるのは通常見た目には普段何も変化ないからです。人の方でも長らく血圧のお薬飲んでる方は沢山いらっしゃるかと思うけど、人間と違って早期に自覚症状訴える事も少ない犬や猫の場合ある日突然不調が現れたり異常に気がついたりというケースは多い気します。問題はそれが高血圧からくるものなのか他の原因が大きいのか、仮に高血圧が原因であっても一度症状出てしまうとなかなか症状の改善は厳しいと言われてるので厄介です。やはり日頃から定期的に血圧測定しておく以外方法はなさそうです。
ちなみに当院では、20数年前購入の動物用血圧計があまりに大きく尚且つ測定の難しさや測定精度の観点から長らく行ってなかったけど、これを機会に新しくコンパクトで測定し易そうな最新の血圧計購入を検討してるところです。間もなくデモ器が届く予定なので、後日ここで状況報告がてらアップしてみようと思います。
⬇︎ 特に猫ならでの難しさの一つとして「ぱっと見健康に見える」「なかなか気付けない」、したがって診断や治療が遅れる、という事かもしれません。
⬇︎ ご存知の方も多いと思うけど、長い首を持つキリンは頭の方まで血流良くするように高血圧です。猫は人間よりちょっと高い程度が正常で、概ね160〜180以上が高血圧で要注意となります。特に猫は年齢重ねるごとに腎臓疾患が本当に多くなるので、多少なりとも高血圧で腎機能の数値高い場合は積極的に治療開始していった方が間違いないかと思います。
⬇︎ 血圧測定の1番の難点は、特に神経質だったり攻撃的だったりする子の場合測定値にバラツキ出る事です。これは人間でも病院で測る時と自宅とでは違うとも言われるし、その時の身体状況やメンタルによってもバラツキ出るのでましてや猫なら、、という点です。猫の場合いつも使ってるキャリーバッグにれて、更に頭にタオル被せて尻尾だけ出して測るのも一つの方法です。
知っておきたい慢性腎臓病
その一方で、血圧をきちんとコントロールすると、慢性腎臓病の予防や悪化の抑制につながることもわかってきました。日本腎臓学会や日本高血圧学会によって、具体的な降圧目標も定められています。もし血圧が高めなら、慢性腎臓病の予防対策について知っておきましょう。
(※1)腎臓の機能が悪化した状態を「腎不全」といいますが、その予備軍までを含めて「慢性腎臓病」といいます。従来の糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎なども、総称して現在は「慢性腎臓病」とされています。
(オムロン様HP)
⬇︎ 業者さんからの貰い物。限定品かと思ったらAmazonとかでも買えるようです。これでウーロン茶やアイスコーヒーでも飲んだら足の色も変わるし面白そうです。猫好きにはたまらないアイテムかも?