前回に引き続きFIPだけど、今回は治療と予防に関する話題について取り上げてみます。ただし実は当院では抗ウイルス治療を今現在行っておらず、あくまで大まかな概略としての発信となる事ご容赦下さい。つい最近まで致死率ほぼ100%の不治の病だったのが、オーナーさん自らネット情報等で治療開始出来る時代にもただただ驚くばかりですね。

 

 

 

数年前の新型コロナウイルスのパンデミックで抗コロナウイルス薬が幾つか開発されたけど、人の場合は年齢や持病や発病後何日以内に投与とかの制限が結構ある様です。これらの抗ウイルス薬を猫に使う場合効果の有無は勿論、副作用もある程度抑えられた物でなければ実際なかなか使いにくいけど、ただ背に腹は変えられないと言うか、やらなければほぼ確実に亡くなってしまうので悩んでる暇さえ無いのかもしれません。

 

 

⬇︎ 今回当院でいつも利用してる通販サイトでも購入可能になったのが、モルヌピラビル製剤(内服薬)とレムデシビルという注射薬です。

ネット検索でもこれらを用いて治療開始してる動物病院も増えて来たようで、多分これから多くの治療成績や副作用等の報告も出てくるのではないかと期待しています。ただこれも、良くも悪くもあのパンデミックのおかげと言うのが何とも言えない皮肉ですね。。

 

 

 

現状扱うにあたって最大の問題はやはりコスト面で、正直私もスタッフも「えっ?そんなに?」というレベルの納入価です。しかも期限切れたら廃棄せざるを得ないので、全ての獣医師が用意して取り揃えておくのはやはり非常に厳しいかと思います。ただ正規ルートなので在庫さえあれば、休日挟まなければ1〜2日で送られてくるのがありがたいところです。

 

もっともいくら正規品・正規ルートでとはいっても、ネット検索するとそれよりずっと安く購入出来たりもするので違いに愕然とするけど、かといって安いからといって安易に知らない業者からネット購入というのもなんだし少々悩むところです。

 

さて身も蓋も無い暗い話になってしまったけど、実は個人的には写真右下の製剤が現状歴史や報告例も多く1番効果的なのかなと実感しています。

元々は英国で内服薬として販売されてる「GSー441524」のコピー商品が本物かどうか別としてネット販売されており、これはいわゆるアンダーマーケット製品なので当院は勿論多くの動物病院で大手を振ってのお勧めは大変難しい製品です。

 

購入されたオーナーさん達の情報だと郵便物はサプリメントや化粧品として国内や国外(中国)から届くそうで、皆さん半信半疑恐々と内服されたんじゃないかと思うけど、でも実際に腹水や胸水が出なくなって治っていくのを見ると本当にこちらも驚いてしまいます。比較的手に入りやすいというのも良くも悪くも時代の流れで、少しでも不治の病から抜け出して来る子達が増えるのは喜ばしい限りです。

 

 

さてその英国BOVA社製の治療薬、「GS−441524」についても最後に触れておきます。一部正式な治療薬として動物病院HPなどでもアピールしてるようだけど現状やはりまだグレーゾーンの様です。話すと長くなるので、少々過激なご意見のYouTube ⬇︎だけど大変参考になるかと思います。

 

 

 

 

最後の予防については、実際なかなか難しいものがありますね。この病気は猫コロナウイルスがある時突然変異して発病するので、コロナに感染しないよう完全室内飼いするとか多頭飼い避けて引き金となるストレスを最小限にするとかしか手は無いのが現状です。

 

これからは新規に子猫招き入れる時は「猫エイズと猫白血病」検査に加えて、猫コロナウイルスのPCR(遺伝子検査)もやがて標準化されるかもしれませんね。