先週から診察と手術が立て込んでしまってすっかり遅くなってしまいました。先ず混合ワクチン(各論)に入る前に、結局猫の場合毎年売った方がいいの?それとも3年毎でいいの?と思われた方も多いようですが、広大なアメリカと違って家々が密集してて都市部での地域猫も多く、現実的に猫カゼの様な症状で来院される子も跡立たない現状では「リスクの高い猫 混合ワクチン(総論)」と考えて「毎年接種」が良さそうな気がします。

 

ただ比較的ワクチン副反応強い子だったり何らかの持病抱えてる子はケースバイケースですが、そうでない限りはメーカー指定の一年毎が無難な選択ではないかと思います。ワクチンに限らずメーカー指示通りじゃない適応外使用(薬事承認されてない用法・用量で使用する事)の場合基本的に自己責任ですので、日本は勿論世界的に未だ統一されない理由の大半がこれじゃないでしょうか。

 

それ故インフォームドコンセントを十分取って、、と言われてはいるけど、ご高齢の方も含めて色んなオーナーさんが毎日いらっしゃる中で納得理解出来るまでの説明は、現実的に多くの動物病院で時間的にも無理ある様な気がします。やはりメーカーの添付文書が変わって、日本中の動物病院がその方向で舵を切っていかない限り難しいのではないでしょうか。

 

 

今回も前置きが長くなってしまいました。

 

さてワクチンメーカーは数社ありますが、今現在当院使用は犬で「6種」「8種」「10種」、猫で「3種「5種」の混合ワクチンになります。すでにお話した様に犬の場合、「コアワクチン(3年毎に接種すべきワクチン)」と「ノンコアワクチン(リスクに応じて毎年接種すべきワクチン)」は最低限の6種にも入ってるので毎年接種が望ましく、猫の場合は3種(コア)と5種(コア+ノンコア)で分かれてはいるものの、今現在の感染発症リスクと添付文書の関係もあってなるべく毎年接種推奨とお話ししました。

 

 

ただそもそも何故この様なサイクルがガイドラインで上がってるかというと、おそらくワクチン副反応発生の問題が大きいと想像します。単にコスト云々で言うなら、死亡リスクも含めて万一感染発症した場合の治療費はワクチンコストを大幅に上回るし、ましてや抗体価の測定までして行うかどうか決めるのはナンセンスだと思われます。

 

新型コロナワクチンも抗体価検査まではしませんし、副反応ゼロもほとんどあり得ないと思いますし、問題は感染発症リスクと副反応リスクを天秤に掛けてどちらがより良き選択なのか?という事だと思います。実を言うと私も3回目のワクチン接種で副反応強く出てしまい、4回目接種を現在躊躇してる状態なのであまり偉そうな事も言えないのですが、、。

ちなみに当院では、過去に副反応で元気食欲が大幅低下した子にはステロイドの同時注射も行う時あるけど、今現在これで多くのオーナーさんから「前回は大丈夫だった」とのお答えを頂戴しています。一回の通常量のステロイド注射ではワクチン効果にほとんど影響与えないそうですが、私は念のためあくまで追加接種で副反応強かったケースのみ行なっています。(適応外使用です)

 

 

実は今回ワクチン種類それぞれの病気や発生頻度についてお話するつもりでしたが、総論的な内容ばかりで長くなってしまったので又の機会にでもという事でよろしくお願いします。