GWに限らずお盆休みや正月であっても、当院に継続的に定期通院治療されてる子はたくさんいるので時間指定にて治療を行っています。今朝も昨日より少し多い子達が来院されたけど幸いどの子も重症化しておらず、診察はほぼ予定通りに無事終了となりました。たまに休診と知らずに来られる継続治療のオーナーさんもおられますが、基本的に予約優先なので1番最後までお待ち頂く事をご了承ください。
さて今回は以前にも何度か取り上げてる『フィラリア』の予防についてのお話です。新しくワンちゃん飼い始めたオーナーさんも結構おりますので、少し又お話ししようと思います。今回に限らずブログ内容は出来るだけ簡潔に分かりやすくを心がけてますが、このフィラリアに関してはどうしても理屈っぽくなってしまうので多少読みづらいかもしれませんがお付き合いください。
予防期間は当院の場合5月下旬〜11月下旬の計7回で設定しています。以前は6月1日〜11月1日の6回でしたが、年々温暖化で『蚊』の発生期間が長引いてる事が大きな理由です。
『フィラリア予防薬は蚊の発生1ヶ月後からスタートし、蚊がいなくなって1ヶ月後に終了』というものですが、実際いつ始まっていついなくなるかを正確に知るのは困難ですし、またその年によっても違うし、なにより地域性も大きく関係します。
何人かの男鹿のオーナーさんは、10月いっぱい蚊が出てる時もあるとおっしゃいますし、実際私も自宅で10月中旬で蚊に刺された事もあって予防期間を伸ばすようにしました。
ただし感染するには実は一つの条件があります。蚊の体内でフィラリアの幼虫が育って感染力を持つには気温が大きく関係するので、「蚊に刺される=フィラリア感染」ではありません。でもこれもその年によって結構違うので難しいところです。
要するに11月1日に終わるのではなく11月下旬終わりにしたく、結果現在の7回設定という様になりました。よくあるのは11月の投薬を忘れてしまうケースです。確かに寒くなってましてや雪でも降ろうものなら「何で予防薬必要??」と思われるかと思いますが、予防薬の『蚊に刺されてから1ヶ月後に予防(駆虫)する』という特性上どうしても11月の投薬は重要ですので、皆さんお忘れない様によろしくお願い致します。
ちなみにかなり昔の話ですが、他院で毎年10月までずっと投薬してたワンちゃんが当院検査で陽性だった事が2回ありました。終わるのが早過ぎると本当に危ないです。どうかご注意ください。
スタートに関しては、本当は秋田市の場合5月に始める必要はほとんどないけど、毎月一回でやっていくとどうしても5月スタートの計7回設定になってしまいますのでどうかご理解お願い致します。
ちなみに今年もフィラリア陽性の子が数匹おりました。どの子も秋田市外の地域でしたが、まだまだ完全撲滅された病気ではないし、今だと多分皆さん普通にあちこち連れて歩くのではないかと思うので油断できません。一度心臓に寄生してしまったら、お腹の中の寄生虫と違って容易に駆虫で済む話ではなく命にも関わる厄介な虫です。
ちなみに猫への感染例もあります。ただし診断が容易でなく、犬用の検査キットでは反応しません。予防方法はあるので当院でも何人かの猫ちゃんオーナーさんは毎月予防されています。猫の場合はたった一匹のフィラリア寄生でも発症する事があると言われてて、咳や呼吸困難等、あるいは突然死も起こりうる様です。最近は多くの猫ちゃんが完全室内飼いだけど、感染が起こりうる以上いつどこで感染するやも分かりません。たまにでも外出する場合は是非ご検討なさってみてください。
⬇︎ これまでアルコールスプレーや待合室の雑誌類撤去で感染対策はしてきたつもりだけど、受付の飛沫感染対策をまだしていませんでした。私自身ショップやスーパーの会計で聞きづらい時もあって思案しておりましたが、昨今のコロナ感染状況から遅ればせながら設置してみました。ホームセンターからビニールシート買って来て画鋲で止めただけですが、とりあえずはこれで事足りる感じです。