今回の話題は前回に引き続き眼科検査ですが、涙の分泌量を調べて「ドライアイ」かどうか確認する検査になります。涙は多すぎると溢れ出て「涙やけ」してしまうし、少ないと目の表面乾いて細菌感染など引き起こし結膜炎や角膜炎へと進行してしまいます。この検査はその涙の出具合が適正かどうか調べるものです。
ちなみに涙が多く出る原因は大きく分けて「先天性」「目の表面への慢性的刺激」「鼻涙管 犬と猫の眼科検査の詰まり」などですが、ドライアイの原因は様々で治療も継続性が必要なケースがほとんどで生涯にわたりケアが必要となってきます。
まず涙って一体何でしょう?何で出るのでしょう?
涙は単なる水ではなく、目の表面に栄養与えたり汚れや異物を洗浄する効果があり、涙という防御壁がないと目は色々な刺激や感染にさらされ、結膜炎や角膜炎更にはもっと重症化して失明や眼球摘出まで至る可能性すらあるので厄介です。
この検査は目の中に「試験紙を1分間」入れ、試験紙の色の変わり具合で涙の分泌量を調べる検査です。スタッフのモデル猫ちゃんは大人しくてスムーズに検査出来たけど、中には相当抵抗する子もいるので1分間も目の中に試験紙の先端入れっぱなしは厳しい検査でもあります。
ドライアイになる子の大半は「短頭種」といって鼻の低い目が飛び出てる様な犬種に多いので、これら犬種で見た目表面乾いてて目やに異常に多く全面的に張り付く様な感じになってる場合は概ねこの病気と考えられます。眼球が突出してる様な犬種は瞬きの際に完全に閉じない可能性もあり、より表面が乾燥しやすく異物や感染にさらされると考えられています。
ドライアイの主な原因は免疫系の異常が多いとされてるけど、他にはウイルスや細菌感染が原因だったり、慢性的な結膜炎や角膜炎から移行するケースもあるとされています。当院で今現在継続治療中の子数頭いて概ね免疫系に作用する点眼薬で良好ですが、中にはあまり反応良くない子もいるので治療も経過見ながら点眼薬変えたり組み合わせたりする必要ある病気です。
⬇︎ 左側が右目で右側が左目の検査写真だけど、利き手かどうかにもよるだろうけど右目の方が測定しやすい気がします。当院では数分間お預かりして行なってるけど、その子によってはオーナーさんが診察室に一緒の方が落ち着くかもしれないですね。