ネットニュースでびっくりな記事見つけました。オーストラリア政府の「野良猫との戦争宣言」ですが、我々獣医師としても勿論猫好きオーナーさんにとっても信じられない様な内容となっています。前からニュース等でオーストラリアの外来種持ち込みに対する対応は過激で、空港などでの税関とのやりとりは面白おかしく観てたけどここまでやっちゃうんだ?って感想です。さて皆さんはどうお感じになるでしょうか?
オーストラリア政府「ネコとの戦争」宣言した事情野良猫は射殺、飼い猫は外出禁止令…
オーストラリアにおける生物多様性損失の最大の要因が侵略的生物であることが、9月4日に発表された国連の新しい報告書で明らかになった。そして同国のタニア・プリバセク環境相によると、オーストラリアで最も侵略的な生物は野良猫で、年間20億匹の動物が野良猫によって殺されていると推定される。
2015年にも野良猫との戦争を宣言
オーストラリア政府は9月上旬、野良猫に対する「宣戦布告」を表明し、娯楽目的のハンター向けに野良猫射殺プログラムを作成したり、捕獲された野良猫の一部を安楽死させたりするといった対策を盛り込んだ行動計画案を発表した。
この種の対策は今に始まったものではなく、オーストラリア政府は2015年にも野良猫との戦争を宣言しているが、今回の提案には複数の新要素が含まれる。当局は飼い猫についても、夜間には屋外に出さない、一世帯で飼うことのできる数に上限を設ける、郊外の猫ゼロ区域を増やす、といったようにさらなる制限を加えることを検討している。
「この諮問文書は『猫の夜間外出禁止令を導入すべきか、地域住民が所有できる猫の数を制限する地方自治体の権限を拡大すべきか』など、非常に重要な問いを投げかけるものだ」と、プリバセク氏は地元のニュースメディアに語った。
オーストラリアの多くの自治体では、すでに猫に関する厳しい規制が敷かれており、いくつかは国際的なニュースになった。南オーストラリア州マウント・バーカーでは、飼い猫は1世帯につき2匹までに制限されている。飼い猫の屋内飼育を義務付けたり、郊外の特定区域を「屋外飼育禁止区域」(屋内飼育が常時義務付けられる)に指定したりしている自治体もある。
オーストラリア本島北西にあるクリスマス島では、島への猫の持ち込みが禁止されており、全住民に飼い猫に不妊手術を施すことが義務付けられている。当局は島の猫がやがて死に絶えることを狙ってこのような措置を取っているのである。
「猫の封じ込め」に協力的な国民
こうしたペット管理施策は通常、地方自治体レベルで行われているが、州の法令が充分な強制力を持たなかったり、州ごとに異なっていたりするために効果が限定的なものにとどまることがある。今回の政府の提案は、各州の法令に一貫性を持たせ、地方自治体がより簡単な手続きで郊外に猫ゼロ区域を作れるようにしようとするものだ。
数カ月前、私は猫が及ぼす影響に関するオーストラリアの代表的な研究者の1人であるオーストラリア国立大学のサラ・レッグ教授に話を聞いた。教授によると、オーストラリアでは他の多くの国々よりも飼い猫封じ込め策が広く受け入れられているという話だった。
「残念ながらオーストラリアでは絶滅する種が非常に多いため、私たちの仕事がやりやすい状況になっているのかもしれない。猫の飼い主を含め、一般の人々は猫を管理することに対し他国よりずいぶん協力的だ」と教授は言った。