もう何度もお話ししているように、最近は腫瘍の診察や手術が非常に多くなりました。最近猫の口腔内腫瘍で来院されてる子が何匹かおりますが、オンラインセミナーでちょうど猫の口腔内扁平上皮癌について講習があったので、詳細部分避けてサワリ程度で少しだけお話ししてみたいと思います。登録者数約千人と大人気ですが、それだけ症例も多く皆さんの関心高いテーマという事が分かります。一つ一つの詳しい説明は省くので、画像でそのニュアンスを汲み取って頂けたらと思います。

 

なお一部個人情報及び著作権等であまりよろしくない画像あるので、数日後にその部分は削除するつもりです。今回の話の流れからあえて挿入させていただきました。よろしくお願いします。

 

 

⬇︎ やはり歯周病などに起因する炎症性疾患が1番多いけど、次が扁平上皮癌という悪性腫瘍になっています。猫は口内炎も比較的多く見られるけど、やはり3番目の多さとなっています。なので猫ちゃんの場合口内チェックは非常に重要かと思います。

⬇︎ ノミ取り首輪やシャンプー、ツナ缶までが危険因子になるとは驚きですね。猫はよく色んな物を舐める習性ありますが、そういった事も一因の様です。ちょうど講義の先生がペロペロ手を舐めてるシーンです。

⬇︎ 緩和治療についても結構長くご講義ありました。1番難しいのは、オーナーさんへの説明の仕方かもしれません。自分や身内の場合の告知方法なども頭をよぎりました。

⬇︎ 飼い主さんの生の声は胸が痛む思いです。『緩和治療』と聞いて、皆さんならどう受け止めるでしょうか?

⬇︎ 上顎と舌の腫瘍に関してもやはり外科的切除(広範囲全切除)が先ず基本となります。それでもやはり生存率は厳しいものがありますね。

⬇︎ オンラインセミナーの真骨頂と言ってもいい複数の対談形式です。出来るだけ均等に発言を振り分ける座長さんの苦労が見て取れます。声の大きい人が発言力増すのはお通夜セミナーにならずに済む反面、その人の経験や考え方や価値観などがより印象に残りますね。勿論ですが日本を代表する様な専門家のご発言ですので大いに参考になります。ありがとうございます。(ご覧なってないはず、、)

 

 

⬇︎今回実は一番タメになった動画な気もするけど、結構視聴してて少ししんどかったです。オーナーは獣医療のエキスパートなんだけど色々な視点から発病から亡くなるまでの経過を飼い主目線でお話しされてました。多くの有名で有能なその道の名だたるスペシャリスト達が周りに居て、出来る限りの治療を行っても1年ちょっとの生存期間(人間なら約×4〜5倍の年数)という現実は辛いものがあります。おそらくそれに要した時間とコストもかなりなはずで、特に地方在住の人達にとってはややハードル高いかなと思いました。

インフォームドコンセントやその説明方法の重要さも改めて感じた動画でした。オーナーさんによって考えも環境も様々であり、どこまで治療を行うのがベストか難しい時もあります。私も何度か「延命治療は苦しい期間が延びるだけでしょ?」という様な事を言われた事ありますし、治療の医学的ベストがオーナーさんにとってベストとも限りません。手術、抗がん剤治療、放射線治療、各種内服薬、漢方薬や免疫力アップのサプリメント、ややスピリチュアル系な方法などなど、、多いに考えさせられる問題です。

 

 

以前にも取り上げたオンライン◯◯。コロナ禍がいつまで続くか不透明ではあるものの、やがて必ず近いうちに収束するかと思います。果たしてその時に元の様に世界は戻るんでしょうか?これも既にお話ししたけど、5年10年で緩やかに移行する出来事がコロナ禍で1年にも満たず世の中の仕組みは大きく変わってしまいました。

よく聞く話としてオンライン◯◯に慣れちゃうと企業も人も、「な〜んだコレで結構いけるじゃない、オンラインで大丈夫じゃない?」という現実です。全ての業種や企業がこの動きにシフト出来るわけじゃないでしょうし、今までの仕組みが大きく変わっていく中これから色々大変かもしれませんね。頭を柔らかくして考えて行かねばと思うこの頃です。

 

<オンラインセミナーのメリットとデメリット>

色々あろうかと思いますが、これまでセミナー受講して感じた事を列挙していきます。

 

<メリット>

タブレットやスマホでいつでもどこでも好きな時に、自由な格好で視聴出来る。よってトイレや食事や会場移動時の席確保の心配も全く無用。ネクタイ着用も必要無し。ここが最大のメリットでしょう。

期間内であれば繰り返し視聴出来、反復学習が可能。

動画をこの様にスクリーンショットしたり、場合によってはビデオ撮影して後で又確認も可能である。

病院を休診にする必要がない。

航空機やホテルの手配が必要ない。有料セミナーはカード支払いするのみで、その他の費用は一切かからない。

 

<デメリット>

ほとんどあまりデメリット思い付かないですが、あえて言うならリアル講習会だと会場に入った時の空気感というか緊張感が独特です。病院を休診してまではるばるやって来た講習会、何か少しでも得るものがあればと真剣に食らいつく講習会。また仙台や東京のニューオータニの大会場での学会では、他の開業医も沢山いてとにかく刺激的です。それに比べてオンラインだと良くも悪くも緊張感無し。誰が見てるわけでもないから、夜風呂上がりのジャージ姿でビール片手も可能。つまり自分次第でどうにでもなるので、向上心を維持しないとなかなか内容を消化吸収しきれません。実はこうして一部だけどブログに取り上げてるのも、内容整理して自分なりに復習する意味合いがあります。

 

⬇︎ 映画『人間の証明』にも出てきた謎の言葉「ストウハ(ストローハット)』の舞台のニューオータニ。実は私はこれだけで最初テンション上がりました。これからリアル講習会はどうなって行くのでしょうか?