今回は膵炎(急性膵炎・慢性膵炎)についてのお話です。

膵炎と言ったら芸能人でも色々な方が話題になるけど、特に私は芸人さんに多い様な印象あります。最近では「チュートリアル」の福田さん、「中川家」の中川さん、「次長課長」の河本さんなどが思い出されます。実は時々、「膵炎」の説明をする時に引き合いに出してオーナーさんにお話しする時があります💦 

 

ちなみに体験談読むと、生爪剥がされるような差し込むような激痛がお腹から背中にかけてあるそうですが、犬ではまだ1頭程度しか私は見た事なく、ほとんどの子は見た目そんなに激痛あるようには見えません。動物の場合(特に猫科動物の場合)、野生の世界ではちょっとでも弱みを見せたら命にも関わるの事なので、ギリギリまで症状を出さない(我慢する)とも言われています。いずれにしても分かりにくい病気と言って良いでしょうね。人間でも軽いと胃痛程度に思って胃薬で様子見なさる方もいるようです。

 

原因として人間の方では、「飲酒」「胆石」「原因不明」だそうですが、他には「脂っこい食事」「タバコ」「ストレス」「過労」「睡眠不足」「暴飲暴食」なども考えられているようです。まあここら辺は「万病の元」と言っても過言ではありませんね。

 

ちなみに膵臓がんはご存知の方も多いでしょうが、進行スピード早い上に症状出にくく早期発見困難で、手術も難しくて術後の再発率も高いと言われる厄介なガンです。しかも手術後の生存率に関しても他のに比べて極めて低く死亡率高いという恐ろしいものです。

 

亡くなった有名人では、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏や元横綱・千代の富士や星野元野球監督、八千草薫さんなどご存知の方も多いのではないでしょうか。スティーブ・ジョブズ氏はベジタリアンだったとも聞くし、八千草薫さんも痩せててあまり膵臓がんのイメージありませんよね?ストレスや過労も一因ですし、日頃から飲酒も含めた暴飲暴食やストレス解消に気をつけるしかないでしょうかね。勿論定期検診も少なくとも毎年一回は必ず、、。

 

 

 

さて本題の、「犬と猫の膵炎」についてです。

 

数年前から「膵炎」の血液検査が院内検査で簡単に調べられる様になって助かってますが、意外と数値異常の子が多いなという印象です。肥満気味で中性脂肪値高く、嘔吐や下痢をくり返しているワンちゃんの何割かは異常が見つかります。「膵炎」に特異的な感度を示す検査キットや治療薬も登場してる位なので、いかに全国的に多いかという事がわかります。ただし数値があまり高くない異常値は他の原因でも考えられる為、必ずしも「数値異常=膵炎」ではない!というお話がありました。

 

⬇︎ 以前から感じてた、「肥満」と「高脂肪な食事」も一因という結果です。なりやすい種類もある様です。つい最近「肥満パラドックス」で太ってる方が長生きする報告もあると言いましたが、こと「膵炎」に関しては当てはまらないようです。

⬇︎ 犬では比較的多く「嘔吐」が見られるけど、猫は必ずしも必発症状ではないという報告です。猫の「三大徴候」ってほとんど何にでも見られる症状なので、「膵炎」の診断には全く役立たないですね。

⬇︎ 特に腎機能に異常ある場合は、非常に注意が必要(予後不良の可能性あり)との事でした。

 

 

⬇︎ 数年前に新発売の、犬「膵炎」の治療薬です。膵炎のみならず、炎症性疾患にも効果ある様ですが、ちょっとお高い感じのお薬です。基本的には5日間連続投与となってて、私も印象的には効果を感じられる良いお薬だと思っています。ただしやはり上の方でも有ったように、腎障害等の合併症の有無が大きく関係する様に感じます。