久しぶりのオンラインセミナー話題です。昨夜ライブで行われた講習会ですが、本編は勿論だけど、なかなか面白く且つ大変参考になるのが実はFacebookでの『番外編』です。リアル講習会でもそうだけど、やっぱり大勢の獣医師を前にして質問するというのは相当に勇気がいる事で、「こんな質問はレベル低すぎないかな?」「簡単過ぎて馬鹿馬鹿しく無いかな?」などという考えがどうしてもチラついて二の足踏んでしまいます。
実際講習会行くと質疑応答コーナーでの質問者は多くがハイレベルで(中には大学関係者も)、質問内容も相当に理解力要する場合も多くていかにも『講習会』『学会』といった雰囲気です。ある地域の勉強会や地方で行われるコミッとした講習会とはかなり違う雰囲気の中での質問は、おそらく多くの平均的獣医師にとって相当なプレッシャー感じると思います。ちなみに私は30数年くらい前の駆け出しの頃、北海道での全国的学会で講師の外人さんに通訳付きで質問した事あるけど、若さゆえの無鉄砲さと今やネットで何でも情報入手可能な時代背景との違いが大きいですね。
⬇︎ 以前当院のマスコットにもなってた居候の「タクちゃん」
さて今回のテーマは、最近少なくなって来た感じもある『短頭種』の話題です。「パグ」「シーズー」「ペキニーズ」「フレンチブルドッグ」などです。好きな人にとってはたまらない可愛らしさと魅力ある犬種たちです。ただ、、実はこういった鼻が低く特に肥満傾向あって常にブヒブヒとイビキをかく様な子の場合、万一手術となったら通常のワンちゃんや猫達に比べるとかなり危険度が増します。
手術自体は太ってるかどうかで多少違う程度で他の子と大して変わらないけど、麻酔のリスクが段違いになるからです。その一つが、気管挿管(気管内に細長いクダを入れる事)して手術終わった後のリスクです。色んな理由から抜管後に喉の部分が狭くなったり麻痺状態なって窒息状態になる恐れがあるのです。実は私ももうだいぶ前になるけど一回経験あります。「パグ」でしたが、抜管後少しして呼吸停止に陥りました(心臓は問題ありません)。すぐに再び気管挿管して色々手を尽くしやっとの事で無事回復出来たけど、本当に今でも思い出すと身震いするくらい大変でした。
コロナ禍前の麻酔講習会である大学の講師の先生も同じ経験有った事を話されてましたが、その時はずっと人工呼吸器装着して一晩やり続けてようやく回復出来たそうです。でもこれは「学生」というマンパワーをフルに活用出来る環境だから良かったけど、もし一般の普通の個人病院でこういうケースがあるとどうなんでしょうか?かなりシビアな状況になりそうです。
なのでこういった犬種を家族に迎え入れてる方はくれぐれも『肥満』に十分ご注意ください。そして万一手術が必要となった場合、他の犬種に比べて太ってる程麻酔のリスクは格段に跳ね上がってしまう事、それをを十分心に留め置いて日頃の食生活への心配りを頑張ってくださいね。
⬇︎ Facebookでの「番外編』。私は今朝早朝試聴したけど、再生回数百数十回なので、どちらかというと和気あいあいで、質問しやすい雰囲気です。幹事の先生もライブセミナーであまり出ない様な、、という位すぐ日々の診療に役立つような内容でした。