遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

 

前にもお話ししたけどブログアップのテンションあまり上がらず、またコロナ禍もあって年末年始私はほとんど引きこもり状態でした。ただ通院必要な子達はいたので、年末年始もほぼ例年通り毎朝5〜7頭ほどは診察を行っておりました。そしてもう早いもので、今年も既に2週間経ちましたね。月日の移ろいの速さにはただただ驚くばかりです。

 

さて前回の(ホワイトクリスマス)で予告?したように今回のテーマは『外耳炎』についてです。お耳で診察に来院される子達は相変わらず多いですが、それでも夏場に比べると比較的軽かったり治りやすかったりという印象あります。

 

 

⬇︎ 数年前糖尿病で治療してた我が家の猫ですが、今度は慢性腎臓疾患で治療中です。「セミントラ」という割と味の良いお薬のせいか、おやつの「チュール」にトッピングしても完食してくれて助かっています。やはり幾ら良いお薬といえど、毎日の投薬はやりやすいに越した事ないという現実をしみじみ実感しています。

 

 

※ 例によって、しばらくしたら幾つかの画像は削除予定ですのでよろしくお願いします。

 

 

⬇︎ 前回ブログでお話しした様に、とにかく「高温多湿」な状態は耳にとって悪化要因となります。

 

⬇︎ ドキッとされた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は案外人為的に悪化させてしまうケースも多いんです。

自宅でのシャンプーやお耳掃除、そしてなにより夜一緒のお布団に潜り込んで寝る様な生活スタイルが『高温多湿』な状況となってしまい、外耳炎が悪化したり治りにくくなったりしてしまいます。ただこれはなかなか皆さん変えることは難しそうですね。部屋を別々にしない限りどうしても習慣的に潜り込んで来てしまう様です。

 

⬇︎ 耳垢の検査は勿論しないよりした方が良いのですが、時間的あるいはコスト的な面もあって当院の場合2番目の43%に入っちゃうかもしれません。少なくとも間が空いたり、耳垢や耳内環境の変化が感じられたら都度行うようにしたいと思っています。

 

⬇︎ なるべく奥の部分の汚れ(耳垢)を検査しないと違う検査結果にもなりうる、つまり治り悪いという状況も考えられるという意味ですね。ただ大人しくお耳やらせてくれる子ばかりでもないので、意外と厳しいかもしれません。

 

⬇︎ 適度の耳垢は必ずしも悪い物でもなく、色々な自浄作用もあるので弄り過ぎないのが肝心です。人間でもお風呂上がりに綿棒突っ込んでグリグリは決して良くないという事が段々と知られる様になって来ましたね。

 

⬇︎ ただし過剰な耳垢は当然有害で、外耳炎の治りにも悪影響与えるので除去する必要があります。

 

⬇︎ 当院でもたまに行う時あるけど、洗浄液をレンジで少し温めてから耳穴に5〜10ml程注入し、バスタオル等被せて頭をブンブン振らせて汚れを排出させる処置です。結構手間と時間と、何より周辺に汚れがものすごく飛び散る可能性あるのでよっぽどじゃないと通常は行っていません。ただし「犬の場合」、綿棒を何本も突っ込んでの処置よりは本来優れてる方法のようです。

 

⬇︎ 通常ほとんどは外耳炎止まりですが、長引いたり放っておいたりすると、、、

 

⬇︎ こうなるともう普通に治療しててもなかなか改善はしません。もし年齢的な問題や持病などの身体的状況許せば出来るだけ早期に手術して、耳穴を広く露出させて通気を良くする方法がベストです。腫瘍や鼓膜の方まで炎症進んでなければ大概のケースで著しく改善がみられるようになります。ただ難点は術後ケアーでしょうか。痛みもあるから多少は仕方ないですが、元々あまり触らせてくれないタイプの子だと術後結構苦労する可能性あります。

 

 

⬇︎ 『猫は小さな犬ではない』

とは我々の業界でよく言われる事なんですが、犬での対処方法や注射治療、投薬などをそのまま猫に当てはめることは必ずしも出来ないと昔から言われてます。この外耳炎についても然りで、痒みがほとんど無い汚れの場合、あまりガンガン治療して深追いしない方が無難かもしれません。ある程度治療して少し改善したら、必ずしも綺麗でなくとも痒みさえなければ一旦は私も打ち切っています。

⬇︎ 点耳はともかく、⬆︎の犬で述べた様な洗浄液用いて耳穴を洗う方法は相当リスク大きいようです。

 

 

 

さて次回予定は、痒みを伴う猫の皮膚病についてお話ししようと思います。これまでにも皮膚病については取り上げておりますが、講師の女性獣医師のご講義も大変楽しく、これまでのオサライ兼ねてアップしてみようと思います。

⬇︎ なんとも、、まさしく『猫愛』に溢れた女医さんの様な気がいたしました。