久しぶりの投稿です。最近スタッフ日記もですがサボり気味になってて、楽しみにして下さってるオーナーさんや友人知人達には本当に申し訳ありません。時間的問題もさる事ながら、やはりブログアップはネタ探しから始まり、構成や写真撮影や選択など意外と手間がかかるもので、日々の診療で時間に追われたり気分の浮き沈みで気持ちが萎えてしまうと滞ってしまいますね、、
さて本題入ります。例によって著作権抵触の可能性から、幾つかの画像はそのうち削除予定ですのでご容赦願います。
本日のお題は、痒がっている猫に対する「スパイシーな処方」というものです。一体何がどうスパイシーなのかな?という素朴な疑問から「スパイシー」をGoogle先生にお尋ねしてみました。
『英語のspicyに由来)香辛料が利いている状態を表す形容動詞。 主に味を表現する場合に用いられるが、香りや音楽を表現する場合にも用いられることがある。』
、、、という事のようです。おそらくこの場合の意味合いは、通常とは少し違う視点切り口から「痒みある猫」に対してアプローチしてみましょうという事かもしれませんね。
⬇︎ これはなかなか核心をズバリついたような内容です。特に4っつめの「ステロイドしか処方してもらえない」というのは、自分も含めて多くの病院で昔から行われてきたかと思います。理由はいくつかあるのですが1番決定的なのは、多くの症例でステロイドが1番『即効性と痒みの抑制効果』が高いからです。ただし長期連用による多少の安全性は置いといて、、ですが。
例えば犬も猫もアレルギー的な皮膚病の場合、昔は抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を数週間投薬して反応悪ければステロイドに切り替えというような事を皮膚科講習会で教わったけど、実際猫の場合は人間や犬と違って投薬しにくかったり反応悪い子が多かったりします。
なおかつオーナーさんにきっちりその点を念押ししておかないと評判にかかわったりという事情もあったりで、多くの病院で「ステロイド処方」が行われてきた過去があります。今でこそ色んな薬剤の研究開発や効能効果副作用のデータも整い治療の選択肢や方向性が定まって来た感じだけど、投薬のしやすさやオーナーさんの考えと事情も様々であり、やはり「ステロイド」は今現在でも皮膚科領域で欠かせない物になっています。
⬇︎ 以前にも触れたけど、今現在最新の診断名は『猫アトピー症候群』です。ただ実際は『アレルギー性皮膚炎』や『アトピー性皮膚炎』の方がオーナーさんには分かりやすく通じやすいので、実は私もあまり「症候群」という言い方はしていません💦
⬇︎ 「症候群」の方が細分化された痒みを伴う皮膚炎の総称なので、我々にとっては実は都合良い呼び方です。
⬇︎ 「ステロイド」は多飲多尿や過食と肥満、軟便や下痢、長期連用で肝機能障害などを併発する可能性あるけど、最大の厄介な問題がコレじゃないかと私は思っています(個人的見解)。他の副作用はステロイドを中止すれば改善する可能性高いけど、『糖尿病』は一旦始まってしまうと「ステロイド」とはもう関係なく一生の問題にもなりうるからです。
実は当院でもかなり昔に3頭ほど「ステロイド」に起因してると思われる糖尿病ありました。ただし皮膚科領域で使用したものでも内服薬でもなく、毎月定期的な注射治療が必要な子達でした。
言い訳めいてしまいますが、今でこそ「ステロイド」程じゃないにしてもそこそこ効果的な製品も出て来てあまり注射する必要なくなったけど、当時は注射以外有効な選択肢無く、打たないと食べなくなって生死にも関わる症状の子達だったのでやむを得ない面もありました。
コロナ禍で色々オンライン講習会を試聴するにつれ、折に触れステロイドによる糖尿病の危険性が出てくるのは、おそらく全国的にこういう例が今も昔も多いのだろうと推察されます。
⬇︎ もうだいぶ前ですが『アトピカ』という、猫のアレルギー性皮膚炎治療の免疫抑制剤が発売されました。ステロイドに比べると高価で初期副作用(嘔吐と下痢)が強く、おまけに投薬のしにくさと効き目の緩やかさから敬遠されがちでしたが、今現在は段々主流になりつつある様です。
多くの講師の先生も薦めており、今やステロイドはほんの僅かでほとんどこれで治療中という先生もいらっしゃいました。ただしこの薬でも、糖尿病が疑われる猫には使用禁止となっています。
⬇︎ ステロイドは星3つのエビデンス!やはり皮膚科領域では王様です。歴史もあり、効果効能と副作用も広く知られています。
⬇︎ アトピカの有効成分「シクロスポリン」も星3つです。ただし投薬最初の3〜4割程度に消化器症状(嘔吐と下痢)が出ると言われてます。今現在当院でも結構な数のオーナーさんが頑張って投薬されてますが、やはり個体差は結構あるようで、何ともない子は副作用全く無く飲み始めて数日で効果を感じたというオーナーさんもいらっしゃいました。
⬇︎ 効果があまり感じられない場合は増量可能です。
⬇︎ 初めて聞いたけど、直接患部に塗る方法もある様です。ただしステロイドと違って効果は薄い様ですね。
⬇︎ 今現在犬でほぼ主流となっている『アポキル』が、実は猫でも結構効きそう効いているという内容です。ただし早く効果が消えてしまう様で、犬の様にはまだまだファーストチョイスにならない感じのお薬です。
⬇︎ 今回の講習会で1番??だったのが実はコレです。ある専門医の講義ではもう少し高く評価されてて、やはり調査対象のサンプル数や、種類や年齢やオスメスの違いによって変わってくるのかな?と感じました。
当院でも数人のオーナーさんが投薬されていますが、やはり続けてらっしゃるなりの効果が実感できるからと思います。そして何より長期連用による副作用少なく圧倒的に低コストです。
⬇︎ ご多分に漏れずこちらの先生もあまりアレルギー検査はなさっておらない様ですが、食事が原因と思われる場合は牛肉と魚などが怪しい場合多いので、狙い撃ちしてそういうの除去された食事療法をしましょうという内容です。
⬇︎ でも何より最高の治療は、、『猫愛』でしょう!
⬇︎ 先日嬉しい事に当院スタッフが、『フードアドバイザー』という認定を頂戴いたしました。
ご存知の方も多いかと思いますが、食事に関してもスタッフは非常に勉強熱心で多くの食事に精通しており、私も信頼し切っているので食事療法が必要なケースでは診察の最後に代わってもらっています(丸投げとも言います)。
人生にも色んな意味で「スパイス」は必要だと私は思っていますが、時々オーナーさんからの頂き物で思いがけず大感動する事あります。お洒落なチョコレートと共に頂いた「チョコビール?」まさに初体験でした。本当にありがとうございました。
⬇︎ 知人からの頂き物。こちらも本当に美味しく珈琲にもピッタリでした。
⬇︎ スタッフからのバレンタインデープレゼント。これも珍しい車の形(フォルクスワーゲン)したお洒落なチョコレート。とても美味しかったです。他にも色々貰ったので、毎年ですがお返しに悩む期間が続いています💦
⬇︎ これもスタッフから。高級な焼酎のようで、いまだにこのまま開封もしていません。今日は天皇誕生日で祝日ですし、お祝いと言ってはなんですが、夕方はこれで一杯やってみようと思います。
⬇︎ 懐かしい、、どっぷり昭和世代です。
⬇︎ 千葉県(市原市)でのインターン時代、先輩獣医師が聴いてたアーティスト。これも本当に懐かしい。サーファーブームというのか、そういうファッションの女性も周りに数人いて彼女達のブルーのアイシャドーがとても印象的でした。