朝晩涼しくなってきましたね。秋田市はお盆を境にグッと過ぎ去る夏を感じるようになるけど、今年もまだまだ残暑はあるものの少しずつ秋の訪れを感じる季節がやってきました。診察でも夏場に非常に多い「皮膚病」と「外耳炎」でやって来る子が少し減ってきた印象です。特に夏場はダニや細菌感染伴う皮膚病や(中には悪化してウジが皮膚のそこら中から出てくる子も)、行動半径広がるからか高温多湿なせいか持病のアレルギー性皮膚炎が悪化する例も見られました。

 

皮膚病に関してはこれまで何度か取り上げてきたので(ブログ総集編参照)、今回はここ最近の「検査」トピックに続き外耳炎の耳垢検査についてのお話です。外耳炎に関してもこれまで少し取り上げてきてて(皮膚科と耳鼻科)(外耳炎)難治性外耳炎に対する治療や手術に関してもう少しお話ししたい部分もあるけど長くなるので次の機会にしようと思います。

 

 

 

まず最初に耳掃除に関してのお話しですが、人間の方の「日本耳鼻咽喉科学会」様HPから抜粋した一部⬇︎をご覧ください。既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、人の領域では「自宅での耳掃除は危険で良くない行為」とされています。

 

耳掃除は医学的には不必要かつ危険な行為であることを認識してください。

家庭で綿棒や耳かきを使って耳掃除することは、常に危険を伴います。奥までいじりすぎると、逆に耳垢を押し込んで「耳垢栓塞」となります。強く拭ったりすると外耳道を傷つけて「外耳炎」を起こすことがあります。

 

とは言うものの実は私も風呂上がりには時々やってたんですが、もうだいぶ前左耳に違和感あって耳鼻科行ったら「ティッシュか綿棒の様な紙が詰まっている」と先生に言われて驚きました。どちらも覚えはあったけどそんなに奥までグリグリやったわけでもなく、少し痒いからごく普通にお掃除してただけのつもりでしたが、、。以来極力控えて風呂上がりのタオル拭き程度にしてるけどやっぱりイマイチすっきり感薄いですね。

 

それじゃ犬や猫ではどうなの?と皆さんお思いでしょうが、実は犬も猫も同様で耳掃除すればする程悪化してしまう例は少なくありません。月数回程度なら許容範囲かと思うけど、汚れ酷いから(あるいは気にしてるから)と毎日のように綿棒で一生懸命やってると段々黒ずんで来て、ヒダヒダの部分も腫れ上がってきて最終的には耳穴が狭くなってしまいます。

こうなると耳の悪化要因である「高温多湿」状態が続く事になって外耳炎も治りにくくなってしまいます。あと市販の点耳薬も最初は効果的めんに感じられても、長く間違った使い方し続けると相当に悪化して「難治性外耳炎」へと進んでしまうので要注意です。

更に人間と違うのは耳の中から伸びてくる「長い毛」が汚れを貯めやすく、そしてまた蒸れる原因にもなるので先ずは毛を抜く処置が必要となります。考えてみると野生の世界で「耳掃除」はないわけで、やり過ぎると人為的に病気を発生させてしまうという事だと思います。

 

 

⬇︎ 最初の外耳炎治療の場合は点耳薬や洗浄液でふやかしながら汚れをとった後、汚れ具合にもよるけど「耳垢の検査」を通常行なっています。特に若い子の場合であればいわゆる「耳ダニ」が原因かどうか重要ですし、垂れ耳で耳の中に毛が伸びる子であれば「カビ」が原因の場合も多く治療経過の目処もたちやすくなります。たまに自宅で綺麗にして来院されるオーナーさんもいらっしゃいますが、こういう検査のためには汚れ多い方が正確なのでそのままどうぞお越しください。写真は綿棒に付着した汚れをスライドガラスに擦り付けてるところです。

 

⬇︎ スライドガラスに擦り付けた汚れを顕微鏡で検査するためには染めないといけないけど、これは「クイック染色」といって文字通り迅速に染色出来て検査可能な染色方法です。初めに左のアルコール液で固定した後赤➡︎紫と順番に入れて行き、最後に軽く水洗いしてからドライヤーで乾燥させて完成です。全行程スタッフ1人付きっきりでやれれば概ね10分以内には終了出来ます。

 

⬇︎ そして最後は顕微鏡にセットして確認し、オーナーさんにもなるべくモニター画面見て頂きながら結果説明して診察終了です。点耳薬や場合によって内服薬も出る時があるので、もしご質問あるようでしたらこの際にご遠慮なくお尋ね下さい。

 

⬇︎ オーナーさんにお渡ししてる検査表ですが、この子の場合はダニも細菌も見つからず「カビ」が強く出ていました。こういうケースでは自宅で点耳薬を耳に入れてもらい、その後はほとんど週一ペースでの来院治療になるかと思います。