つい最近ちょっと珍しい「猫胃虫」が見つかったので、今回はそちらの話題です。猫胃虫はその呼び名の通り胃粘膜に寄生し、時に吐いたりして分かる事もあります。

 

さて何故珍しいかというと、感染経路が中間宿主と呼ばれる昆虫(ゴキブリ.バッタ.コオロギなど)を捕食する事によって感染するものなので、最近の様に多くの猫が室内飼いだと昔に比べてかなり少ない発生状況だからです。

完全室内飼い多い大都会の病院だと、多分なかなかお目にかかる機会も少ないかと思われます。ちなみに昆虫を捕食したカエルや鳥などを食べて猫に感染も考えられるので、やはりお外に出るかどうかがキーポイントですね。

 

 

⬇︎ 猫胃虫の虫卵ですが、他の寄生虫の虫卵と違って中で幼虫うごめいてるのが分かるので、苦手な方はずっと見てるとかなり気持ち悪く感じると思います。

 

 

なお一般的に中間宿主を必要とする寄生虫の場合、その宿主を介さず感染しても生活環は完成しないので、仮に同居猫とトイレを共用してても感染はおこらない(侵入しても孵化しない)とされています。同様に人にも感染しません。

 

とはいえ、そんなのが口の中に入るなんて想像し難い事案ですよね。時々でも外出する猫の場合、たとえ吐いたり下痢したり無くとも寄生虫いるやもしれないので、定期的に検査や毎月のノミダニ駆除剤兼ねた駆虫薬の投与を行った方がよろしいかと思います。

 

ただそれでも感染予防は出来ないし公衆衛生上からも、野良ちゃんは勿論外出する猫にぺろぺろ舐められるのは避けた方が無難かもしれませんね。

 

 

⬇︎ 簡単な糞便検査で分かる事もあるけど、浮遊法といって飽和食塩水等の浮遊液に小指大程度入れて、約15分程静置後比重で浮かんでくる虫卵を確認するのがより確実な検査となります。