先日あまりの快晴に誘われ、象潟方面に足を延ばしてみました。にかほ高原から見る『鳥海山』は青空との対比もあって本当に綺麗で雄大な感じです。通行可能になったら今度は上まで行ってみようと思います。

 

 

 

 

さて前々回の予告通り(猫の慢性腎臓病)、今回は『犬の慢性腎臓病』についてです。実は内容は猫とほとんど同じ様ではあるんだけど、若干の違いがあるのと腎臓病のおさらいも兼ねてアップしてみたいと思います。最近一気に書き上げる程のテンション上がらず、今回も又ちょっとずつ書き上げていこうと思うのでお付き合いどうかよろしくお願い致します。なお例によって著作権等諸般の事情により、写真の多くはそのうち削除予定となっていますのでよろしくお願いします。

 

 

⬇︎ 『猫の慢性腎臓病』に引き続き同じ先生によるセミナーで、概ね同様の流れとなっています。

 

⬇︎ 症状も猫と大体同じで、やはり多飲多尿と食欲不振による体重減少が最初に気がつく所じゃないかと思います。嘔吐や下痢は多分に沢山水を飲む事と関係しますが、ひどく出てる場合おそらく検査数値もそれなりに上がってるかと思います。勿論、随時それに応じた対処療法が必要かと思います。

 

⬇︎ 腎臓障害の程度を表すステージングは、猫と比べて低い段階から既に始まってますが、元々これは犬の「クレアチニン」正常値が猫より低いからです。それにしても、たとえ1.4以下の正常値であってもステージ1って何故?って思ってしまいます(単に正常という意味でしょうか)。ちなみに猫は治療開始後数年程度生存可能(当院過去最高は約5年)ですが、ワンちゃんの場合は残念ながらその半分程度の状況の様です。

 

⬇︎ うちの猫の検査表です。以前の糖尿病はすっかり落ち着いたけど、今度は「慢性腎臓病」で内服と定期的皮下点滴を始めることにしました。ご覧のように犬と猫での「クレアチニン(Cre)」値の違いがお分かりかと思います。

 

⬇︎ 基本治療も概ね猫の場合と同じくなります。

 

⬇︎ 食事療法も猫と同様かなり重要視されてて、腎臓療法食あるいはウエットフードでも良いようです。療法食は市販フードより1年以上も生存期間が長いデータがある様です。

 

⬇︎ 「高血圧」が心臓疾患において非常に問題なのと同様、実は腎臓においても「糸球体」という所の変性を進行させて腎機能の低下をきたす事が分かっています。これら降圧剤は一種の「血管拡張薬」として、心臓のみならず腎臓の血流を良くして高血圧を緩和させるお薬です。ちなみに犬では一般に「心臓のお薬」として処方されています。

 

⬇︎ やはり猫と同様、食事療法に加えて「リン吸着剤」も可能なら投薬というお話しです。

 

⬇︎ 同じく皮下点滴もですが猫と少し違うのは、ある程度進行して状態悪化したり脱水状態を改善させたりが目的となっています。犬の場合心臓疾患の子も多くなり、ケースによっては「むくみ」や「肺水腫」という致死的展開が猫よりもハイリスクだと思います。

 

⬇︎ 「急性腎障害」はこの慢性腎障害においても現れる事があります。文字通り急激に進行悪化して「排尿」が全く無くなって死に至る怖い病気です。

 

⬇︎ 急性腎障害では主に各種利尿剤や、脱水があれば点滴治療などを行なっていきます。

 

⬇︎ 昔は腹膜透析といって、お腹の中に透析用の液体を注入して又それを抜くという古典的方法も行われたけど、時間と手間が大幅にかかる割に救命率は極めて低く、それはあくまでも「時間稼ぎ」の意味合いが強いそうです。設備の整った高度医療病院の様な所だと人間の様に「血液透析」も行うけど、それでも死亡率はそれなりに高い感じがしますね。ちなみに以前も少しお話ししたけど慢性腎不全、「腎臓移植」も今や現実的になりつつある様です。おそらくドナーと要する費用が最大の問題かもしれませんが、、。