猫の心臓病
2024年3月12日
今回のテーマは最近ホントに、本当にもう驚く程多くなった「猫の心臓病」についてです。
以前にもこれに関連するブログ
猫の心不全
猫の「タウリン欠乏症」
猫の高血圧(慢性腎臓病との関係)
犬と猫の血圧測定
はアップしてるけど、当時よりもはるかに多くなりました。正確に言うと「より診断が簡単になって発見出来た」というのが近いかもしれません。何しろ以前もお話ししたように猫の心疾患は犬に比べて非常に診断難しく、聴診上の雑音は数割程度の子しかいない上にレントゲンも心電図も微妙で、唯一エコーの達人先生のみが正確に診断可能かなというレベルの病気と言っても過言ではありませんでした。
それが今では簡単に院内での血液検査で診断可能という時代になり、場合によって更に少し多めに採血後検査会社に送って詳しく調べてもらう事も可能となりました。興奮しやすい猫を無理やり押さえてまでエコーやる必要性も薄くなり、採血さえ出来れば誰でもより簡単に正確に診断出来る様になったわけです。
当院では残念ながら今年に入って既に数匹、この1年間ではおそらく優に10匹以上診断に至ったかと思います。万一何らかの症状出た場合は展開早いと数日〜数週間、場合によっては突然死も起こり得るような怖い病気です。無症状の子でも最長3〜5年の寿命と言われてる(追記:無症状のまま寿命終える子も多いという報告もあるようです)ので、最近咳き込む様になったいう子は勿論ご心配なオーナーさんには是非一度検査を受けて欲しいと思います。
ちなみに過去にボーダーライン上で判定際どかった子が、数ヶ月後に再検査したら大丈夫だった(正常)事もあるのでお伝えしておきます。これは何らかの病気や一時的に心臓に負荷がかかった事が原因で異常値示した可能性もあるので、少なくともボーダーライン上の子は数ヶ月後に再確認した方がよろしいかと思います。
⬇︎ 以前にも使用した写真ですが、検査キットの丸い反応が右側より左が濃いと正常です。下のは右が左よりも濃く出てるので非常に高値な異常値になります(より程度が悪い)。