インスリンの注射治療は過去にも取り上げてるけど

インスリン

糖尿病のリスク要因

あまり詳しく当院のやり方はお伝えしてなかったですね。

 

まず何度もお話ししたようにインスリン無しでは血糖値を下げる事は困難で、結局はインスリンが体内に十分あるか、そしてそのインスリンがきちんと効果的に働いてるかにかかってきます。

 

 

 

 

 

そのインスリンはやはり注射で補うのが確実で手っ取り早いのですが、最大の問題はインスリンが効きすぎてしまう事による低血糖です。早急に回復させてやらないと確実に亡くなってしまうので、日頃から自宅で採血して血糖値を測り慎重にインスリン注射をしないといけません。採血の方法は以前のブログ糖尿病を参照してください。

 

 

⬇︎ 動物専用の血糖測定器。左側が従来の物で、右が最近発売された新型です。

 

 

今現在使用されるインスリンは人用の3種類(商品名4種類位)➕数年前発売された動物用の1種類だけど、インスリンはそれぞれ特徴があって効果の持続時間が微妙に違っています。基本的に全ての種類が1日2回ではあるものの、持続時間が比較的長い物は1日1回もギリギリ可能で、当院ではほとんど全てのオーナーさんがこちらの方法を選択されています。

 

1日2回注射するという事は、たとえば「朝7時と夜7時」あるいは「朝8時と夜8時」とか、決まった時間定期的に血糖値を測ってインスリンを打たないといけません。もし夜の帰宅遅くなって2時間以上ズレるようなら打ってはいけないので翌朝血糖値は爆上がりするけど、インスリンを同じ量にするか増やすかは微妙な判断になってきます。長い事治療しててあまり変動ないようならそのままでも良いでしょうが、しょっちゅうとなると血糖値のコントロールが難しくなってくるからです。

 

またインスリンは効き具合にも違いあってコレは効き悪いけどコッチは効果あるとか差があり、先生によっては何種類ものインスリンを用意して次から次に変えてみたり、2剤併用して行なってる先生もいるようです。問題はコストですが概ね1本あたり1万円前後のインスリンを都度購入して頂く事になるので、オーナーさんによってはかなりの負担感があるかと思います。当院でも過去変えてみた事はあるけど、やはり多くの皆さんにお勧めするのは気が引けるし現実的でもないように感じています。

 

 

治療開始の初期に入院させる病院も少なくないようですが、当院ではよほど具合悪くない限り病院から30〜40分以内程度のご住所であればなるべく通院でやっています。これは血糖値はその時の興奮状態次第で正常値から100〜150程度上昇してしまうので、なるべくオーナーさんが側に居て落ち着いた精神状態の方がより安定して正確な血糖値と思われるからです。

 

もう一つの理由は近い将来オーナーさんが自分で採血してインスリン注射行う場合に備えて、何度か実際そのやり方を見て覚えて頂きたいからです。入院した場合、退院後いきなりソレやってコレやってと言われても多くの方が対応出来ないだろうし、やはり相当慣れないと採血と注射は難しいかと思います。ただこれも1日1回だからこそやれるわけで、1日2回で行う場合は最初は1週間程度は入院してコントロールする必要あるかと思います。

 

理想的には治療開始初期は何度も(1時間毎)血糖値を測って効き具合を確認するのですが、入院でない場合これは時間的にもコスト的にも難しいので当院では最初3〜5時間程度の間隔でお勧めしています。勿論万一具合悪そうであれば何度でも測って血糖値の確認をしないと、気がついたら低血糖でショック状態という事態もある得るので要注意です。

経験的に犬の場合割と早い段階で安定するけど、猫の場合は不安定な上に合併症出る子もいたりするので大変で、しかもインスリン打つ量が極めて少なく微量だったりの子もいるので慎重に毎日の採血と注射が重要となってきます。

 

 

いかがでしょうか?

文字にすると長くて難しそうですが、これまでご高齢のオーナーさんも含めて多くの方がおやりになっています。問題は特に猫の場合その子の性格によって採血が難しく、結果的にインスリン打つ量がうまく決められないという点に尽きるかと思います。実際我が家の猫も糖尿病なった時採血困難で、毎日病院スタッフに測ってもらってからインスリンを注射してた過去があります💦

 

 

 

ついに当院でも待合室にクリスマスの飾り付けが。

いよいよ師走ですね〜。今年もあっという間の一年でした💦