いつの頃からか、「異物誤飲」「異物誤飲にご用心(絵文字が文字化けしてます)」で来院する犬や猫がじわじわ増えてきました。数十年前は中型犬も多かったし猫も自由に外出する子もいたので、フグや殺虫剤や除草剤農薬等の中毒症状で来られる子が結構多かったけど時代は少しずつ変わり、犬は小型犬多く猫はほぼ完全室内飼いになって昔の様に有機リン系殺虫剤で来る子はほぼ皆無、代わりに犬では各種オモチャや食べ物や鈴やピアス、猫では輪ゴムや毛糸やビニール紐等の紐状異物が目立ってきました。
基本的に固形物であれば数時間以内遅くとも半日以内なら吐かせる処置(催吐処置)が有効ですが、誤飲後に水や食べ物を与えてしまうと胃から腸へと早く降りてってしまう可能性有るので要注意です。レントゲンや血液検査次第では手術や入院という事態もあり得るので、とにかく身近な所にそれら危険な物を置いておかず可能な限り引き出し等に仕舞っておく事が大切です。
犬の玉ねぎ中毒(ニラ、ニンニク、ネギ類も)はご存じのように昔から有名だけど、他にもキシリトールやチョコレート中毒も広く知られるようになってきました。今回先ずはそのチョコレートの誤食誤飲についてのお話です。
⬇︎ 時々コーヒーやワインと一緒に食べてるけど、カカオ分70%のハイカカオチョコレート。小型犬にとっては超危険物です。
これはチョコレートのカカオに含まれる「テオブロミン」という成分による中毒で、「吐き気や下痢」「異常な興奮や発熱」「震えや痙攣」などで最悪数日以内に亡くなってしまいます。解毒薬は無いので吐かせたり場合によって点滴入院したりですが、一般的小型犬の大きさ（体重3〜5キロ）の場合板チョコ一枚でも相当重症化したり、年齢や持病によっては致死量ともなり得る程危険な食べ物です。特にナッツ入りのチョコレートは美味しくて私も大好きですが、犬にとっては更に危険な物なのでくれぐれも誤食する事ないようお気を付けください。
犬の体重1kgあたりのテオブロミン摂取量による症状
- 20mgで軽度の症状
- 40～50mgで重度の症状
- 60mgでけいれんが起こる
ちなみに、テオブロミンの含有量はチョコレートの種類によって異なります。1gあたりのテオブロミン含有量は、商品によっても異なりますが、おおよそ以下のとおりです。
テオブロミン含有量の目安
- ココアパウダー：5～20mg
- ビターチョコレート：5mg
- ミルクチョコレート：1～2.5mg
- ホワイトチョコレート：0.05mg
小型犬がミルクチョコ1枚を食べると重度の中毒症状の可能性
これらを踏まえると、体重3kgの小型犬の場合、ミルクチョコレートの板チョコ（50～60g）であれば1枚、ビターチョコレート（ブラックチョコレート）の板チョコであれば半分を食べてしまうと、重度の症状が見られる可能性があります。
（ペット保険会社（PS保険）から抜粋）
あと本日もう一つのタイトルのコーヒー、滅多に犬がこれを舐めるとは思えないけど万一飲んだら「カフェイン中毒」を引き起こす可能性があります。症状はチョコレートと似たような症状で致死量は体重1キロあたり珈琲カップ1杯程度と言われてるので、通常サイズのワンちゃんであれば大丈夫そうですが個体差あるので油断なりません。同様にお茶やコーラやエナジードリンクにもカフェインは含まれてるので、皆さんもう一度身の回りを見渡して危なそうな物には手が（口が？）届かないようご注意くださいね。
以前からコーヒーの話題
は何度も取り上げてるけど、最近私はデカフェ（ノンカフェイン）にもハマっており、朝の1杯以外はほとんどノンカフェイン入りの珈琲にしました（実際は少量カフェイン入り）。胃が少しムカムカしたり夜中何度もトイレ行ったりしたのが理由だけど、ノンカフェにしたら落ち着いてきたのでやはり我々にも適量は重要ですね。コーヒーの効能効果は色々言われてるけど、「肝臓がん」の予防効果有りってビールやワイン好きなら思わず飲みたくなってしまうんじゃないでしょうか？ ちなみに珈琲1日3〜4杯程度が効果的なようで、ノンカフェでもそれなりの効果が期待できるとのこと。ただしコーヒーといえども時間経つほど空気に触れて酸化してしまうのでなるべく沸かし直し等せず、都度豆を挽いて直ぐにコーヒー淹れて20分以内に飲み干すのがより体に良いみたいです、現実的にほとんどの方には難しいかもですが。
話は全然変わるけど犬猫のフード類もこれは同じで、大きい袋サイズは割安だけど長期間酸化にさらされてしまうのであまり良ろしくありません。我々も開封したポテトチップスを数週間後に食べたりはしませんもんね？ 昨今の何でも値上がりご時世でフード類も値上がりしてるので難しいかもですが、特に皮膚やお腹弱い子の場合は可能な限り小袋で買い揃えた方が無難かと思います。
